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続いてこの手のツアーではド定番もド定番のサンセット鑑賞です。リクエストしてました。
場所は昼間に行ったシュエサンドー・パヤーと言うのが高いのでこれまた定番なのですが、ガイドさんがもっとおススメの場所があるのでそちらに案内しますネ!とのこと。
そのときは名前聞かなかったんだけど、後で調べたところによると「セィンニェ・ニィーマ・パヤー」なのではないかと思われます。ガイドさんおススメの理由としては、
①シュエサンドー・パヤーより平野の奥にあるので視界により多くパヤーが見える
②人が少なく静か
……分かってらっしゃる!!
確かにカンボジアでもラオスでもサンセット鑑賞ポイントと言うのは怒涛の人ゴミだったのです。さまざまな国の人々が同じ夕日を眺めると言うのもまた一興なのですが、そりゃあ静かにしんみり眺めるほうがよいに決まっています。
到着したら取り敢えず、時間がないので上へのぼらねば~って事で。
説明などロクに聞くことも無くわらわらと中へ。
ここに殆ど隠し通路くらいの細い暗い階段がありまして。遺跡番のおいちゃんにガイドさんが声をかけ、入り口の柵を開けていただいく。
中は窓とか一切ないのですごく暗い。そしてすごく狭いので、私・ガイドさん・おいちゃんの順にひとりずつ上る。ガイドさんの持つ懐中電灯の明かりを頼りに上ります。
この通路があったことと、大体の場所と、それから歩き方に出ていた姉妹寺院の写真などを見て、セィンニェ・ニィーマ・パヤーなのではないかと思ったのです。もし違ってたらすみません。
さて暗い階段をちまちま進み、中ほどで方向が変わるとぽっかり出口の明かりが。
面白いので記念撮影もする。
外に出ました。この外と言うのが、そもそも人が上がることを考慮してない造りっぽくて屋根!って感じで、飾り程度の縁とか手摺りも無い場所があって結構怖いです。でもそれがちょっと楽しかったりして。
西側のテラスのようになったところへ出ました。
おお絶景かな絶景かな。……しかし雲が出てるね!
まあともかく日暮れを待ちましょうかと、ちょいちょい(アホい)記念撮影なんかもしたり。
あとはテラスの縁にガイドさんと二人で腰掛けてぽつぽつおしゃべりなどしながら、夕陽は見えなかったけれども、暮れなずむバガンの平野を眺めました。
遺跡番のおいちゃんも見慣れた景色だろうけれど、少し離れた場所で遠くを眺めていました。
ガイドさんが唐突に『長い間』(kiroro)を歌いだすので、「なつかしッ!」「日本の歌手ですよねネ!人気があるんですよネ!」「結構前に流行りました。」「新曲とかは出してないんですか?」「出してるかもしれないけど、あんまり流行ってないので、よく分かりません……。」とか言う会話をして、ガイドさんが軽くショックを受けたり。
(しかし東南アジアでのkiroro人気は堅いな!)
ところで、このパヤーの下に畑と道路がありまして。
畑の傍に止めた自転車の近くでおにーちゃんが何やらせっせと作業をしておりまして。よく見ると、畑で刈った一抱えほどの(推定)牧草を束ねて自転車に積み込もうとしている様子でした。何やらせっせとやってはいるんですけどね。
やってはいるんですけどぜんぜん束ねられない。
たった一抱えの牧草をひとまとめにして自転車の荷台に積み込もうかと、それだけなんですけどね。ぜんぜん終わらない。しばりなおしてみたり、手を止めてみたり……
まあともかく終わらない。
なんだか気になったので、ちょいちょい様子を見ていたんですよね。
どのくらい終わらないかって、私たちがパヤーの上に上がってふと気が付いたときにはにーさんもうそこで牧草を束ねようとしていたのですが、結局、私たちが帰る頃になっても終わってませんでした。少なくとも1時間近くは牧草をしばろうとしていたと思う、あのにーさん。
たぶん、牧草をしばるのって農家の人にしたらそんな珍しい作業でも難しい作業でもないし、あれが標準なんだったら相当効率の悪いやり方してると思うけど、そもそもここでは効率の良いやり方を見つける必要もないのかもしれない。
なんだか、あくせく夜中まで働いて最新のデジタルデバイスなんて手にしちゃって時々海外旅行もしたりする私と、そんでそういう生活に憧れてるけど海外旅行にも行けないしパソコンも持てないしでも日の出から日の入りまで日中は暑いからってたっぷりの昼寝休憩も挟んで牧草しばるのに1時間かかっても誰にも責められないような働き方してるにーさんと、どっちが幸せかって言うのはなかなか難しい話だなあと思いました。
あのにーさんがいきなり明日から私と同じくらいには裕福になる代わりに同じように同じくらい働かなければならないとしたらきっと幸せとは思わないだろうし、逆に私がにーさんと同じようにある程度のんびり作業してもいいし昼寝もできる仕事をしてでもにーさんと同じ暮らしぶりしかできなかったら幸せとは思わないだろうし……でもそれぞれ現状に満足してるかって言ったらそうでもないし。
これから、発展して一般市民の生活ぶりも大きく変わっていくであろうミャンマーですけれども、なんつーかこう、私とにーさんの中間のような着地点を見つけられるといいなあと思うのです。あるいはなんかこう新しい着地点のような。
日暮れとともに少し冷たくなった風に当たりながらそんなことを思った次第。しんみり。
で、にーさん、牧草は持って帰れたのだろうか。
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